合流して社会民主主義を継承する

                                 社民フオーラム台東 事務局長 高木 正晴         
                        





新型コロナ感染は昨年1月に横浜に停泊中の豪華客船ダイヤモンドプリンセス号で確認されたのが国内感染の始まりと言われています。その後感染は人、モノの移動、密集空間など感染ルートを媒介として瞬く間に広がりました。4月には第1回目の緊急事態宣言が発令され、人的移動や、飲食店の営業、観光、イベントなど自粛要請がされました。

 しかし周期的に感染を繰り返し、今日まで3回の緊急事態宣言が発令され、多くの「私権制限」が実施されてきました。体力のない中小、零細企業の収益は悪化。破産や廃業に追い込まれるケースが多発し、宣言の長期化に悲鳴がだされました。

 自粛要請協力に対しては、保障が伴わなければ生きる糧を失い深刻な事態に陥ってしまいます。協力を伴う以上、保障は一体で進めなければなりません。当初は「自助努力」を力説していましたが野党の追及により公的な支援が実施されてきました。菅総理肝いりで進められたGOTOトラベルは一方的に決められ、感染が拡大し急遽取り消すなど政権の場当たり的対応に国民批判が集中しました。

 特に今回のコロナ禍では業績不振を理由に「解雇」「雇い止め」された労働者は約10万5000人と言われ増え続けています。特に派遣社員等非正規雇用労働者が「雇用の調整弁」とされました。雇用を失う事は憲法25条(生存権、国の社会的使命)で「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定されています。これら生存権侵害は断じて許されるものではありません。

 今回コロナ禍で「この社会の生きづらさ」が浮き彫りとなっています。子供の7人に1人。中でも一人親家庭の半数が貧困に陥っていると言われています。先進諸国、経済大国と言われていますが、そこで働く者の現実は低賃金、長時間労働で心身とも疲れ、自殺に追い込まれる悲しい現実など、事態は深刻さが増しています。今こそ私たちの目指すべき社会 ①憲法の理念が実現された社会 ②格差を是正した生活優先の社会 ③人々が支え合い、尊重し合う社会の実現で誰もが安心して働き、生活できる社会を築かねばなりません。

立憲民主党との合流を選択

 社民党は昨年11月の臨時全国大会で「立憲民主党からの合流の呼びかけ」に対し①「社民党を残し社会民主主義の実現にとり組む」という選択と、②「立憲民主党に合流し、社民主義の継承と発展をめざす」というどちらの選択肢も「尊重し理解する」とした議案が賛成多数で可決されましたが、残念ながら党全体が一つにまとまって行動するとはならず結果的に「社民党に残る道と、立憲民主党に合流する道」に分かれて、それぞれ社民主義の理念や政策と運動の継承発展をめざし活動を進めて行く事になりました。

 私たちの支部は3回の全党員会議を開催し、討論を積み上げてきましたが、考え方の溝が埋まらず、最終的に党員の判断を尊重し、党員の活動の保障と組織配属を確認してきました。

 一方で支部党員の多数は呼びかけに応えて立憲民主党との合流を選択しました。立憲民主党からの呼びかけを重く受け止めた背景には、①党員の奮闘にもかかわらず国会議員、地方議員、党員の減少など組織の衰退がある ②国民の命と暮らし、平和と民主主義を守る活動を担う党員の高齢化が進み、組織維持が困難になっている ③今年施行される総選挙では5議席以上、2%超えを獲得して国政政党として残ることが前提となっていますが、存亡の危機的局面を迎えている事は党員誰しもが肌で感じている事です。むしろ立憲からの呼びかけは将来の政権交代を現実のものとし、国民を置き去りにした政治を取り戻す絶好の機会です。

 私たちの進むべき道は立憲と合流する中で、社会民主主義の理念や政策、運動を継承発展させていく事です。4月より社民フォーラムを設立し活動を進めていますが、将来的には「社民、リベラル勢力」の総結集を展望したい。


憲法25条「文化的に生存する権利を有する」は現憲法制定国会で当時の社会党鈴木義男議員の努力で書き加えられた。当誌では議員の縁者の執筆でその経緯を次号で掲載予定しています。



ご意見・ご感想はこちらまで