我々は社会民主党として
社会民主主義の道を歩む

                                 社会民主党全国連合 幹事長 服部 良一         
                        



55年体制を支えた野党第一党の社会党は衰退と分裂を重ねてその歴史的使命を終えようとしている。

その責めは社会党自身と国民にあるのだろうが、ツケは国民にまわされているのではないか。

コロナ禍から「社会民主主義」を考える

 2年にわたってコロナ禍が世界を襲い、想像を絶する感染の広がりが社会・経済へ深刻な影響を与えている。それは今後の労働のあり方やライフスタイルにも大きな影響を与えているし、何よりも「公から民」へと効率化ばかりを優先し、小さな政府・弱肉強食政策を進めてきた新自由主義の破綻が明々白々になった。そのことがあらためて「公共」の役割を見直させ、世界的に社会民主主義、あるいは米国では若者の間に民主主義的社会主義に注目が集まっている。

 最も分かりやすかったのが医療崩壊の現実だ。日本では大学の医学部の定数を減らし医者の数を削減、厚労省は病院のベッド数を大幅に削減、国公立病院の統廃合や保健所の大幅な削減を進めてきた。コロナ禍といういざ非常事態となった時の脆弱な医療現場の実態が見事に浮き彫りになった。人のいのちを救えないという深刻な事態になったのである。

 社会の格差貧困も深刻だ。今、非正規労働者が就労者の4割を占め、コロナ禍の中で真っ先に解雇され失職する現実がある。特に女性の失職は多く自殺率も高い。一方で大企業の内部留保は470兆円を突破し、この深刻なコロナ禍の中でもほとんど目減りしていない。ポストコロナの議論があるが、我々がどのような社会をめざし創っていくのか、大きな曲がり角に来ている。





 今明らかに「社民主義」の出番だと思うが、皆さんはいかがであろうか? 一握りの富裕層や大企業に富が蓄積される一方で、まともに飯が食えない、生活ができない99%の民衆とに社会が二極化している。民衆は明らかに新しい社会への転換を望んでいる。それが「公共」の役割の強化であり、富や税の再配分機能の復活であり、安心して子どもを産み育てることのできる社会であり、老後を安心して迎えることのできる社会である。一言で言えば「いのちとくらしを大切にする政治」の実現だ。そのために税の取り方・使い方を見直し、政策を創る、そのことが社会民主主義の政治と言える。

 社民主義のもう一つの重要な柱は平和主義である。憲法理念の実現と言ってもいい。現在「台湾有事」がマスコミを賑やかしているが、戦争ではなく平和外交でアジアの平和を構築する、その考えは全くぶれることはない。ただ残念なのは立憲野党の中からも「尖閣防衛」や「日米同盟基軸」や「防衛力強化」を声高に言う人がいることだ。これは明らかに社民主義の理念とは違う。日本においては先の大戦への反省から生まれた日本国憲法の平和主義の理念に基づいた外交や平和政策を実行することは当然であり、抽象論でも原理論でもない、まさに国是なのだ。「台湾有事」に安保法制(「戦争法」)を適用し集団的自衛権の行使による日米軍事協力で対応するなら、沖縄や南西諸島、さらには在日米軍基地が存在する地域はたちどころに戦場と化す危険性がある。平和憲法を持つ日本が米中の間に入って平和外交の力によって戦争を防止する力こそが求められている。まさに社民主義の外交政策である。

 多様性社会の実現も大きな目標である。この間入管法改正案で難民問題がクローズアップされたが、日本の狭隘で人権無視、排外主義的な入管行政が明らかになった。これは明治維新以降のアジアへの侵略・植民地政策の中で形成されてきたもので、根強い差別、蔑視感がいまなお残っている。外国人だけでなく障がい者や性的マイノリテイなど様々な立場の人々といかに共生社会を創っていくのか、社民主義にとっての重要な課題だ。

 最後に環境の問題だ。脱原発は一貫した方針であることは言うまでもないが、地球環境問題への取り組みは今まで必ずしも十分ではなかった。エコロジーな社民主義を掲げ実践していかなければならない。

 立憲民主党への合流議論があり、日本に社民主義の政党が存立できるのか必要かどうか悩んだ方も多い。我々が社民主義のしっかり旗を立てることが出来るのか、それとも二大保守政党の道を選択するのか、そこも今日本の政治の大きな分岐点のような気がするが、皆さんはいかがだろうか。



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