あぁトランプ、
米国民の良識破れたり
人類の民主主義への道遠し

                      東京  三田 栄考
                                   



 

米国大統領選挙は、実質的にはトランプが継続するか否かの選挙であった。混乱してもバイデンが就任式に臨めば民主主義が勝利するとしたり顔に話す識者が多いが、私はそうは思わない。「史上最悪でアメリカの恥」とはバイデンの言だが悪しき人物をUSAの半数近くの人が投票したのは消すことのできない事実だ。世界のひんしゅくを買う政治を4年間やってきた。トランプはUSAの恥だから候補者から引きずり降ろしてこそ米国良識の勝利だ。それどころか47%の人がトランプに投票した。コロナ禍がなければ負けていただろう。これでは民主主義は敗れたと言うべきである。世界の人々はこの事実を直視しなければいけない。私はトランプの全てを否定するわけではない。コアの支持者が狂気乱舞するのを分からないことはない。4年前に比べて経済生活が良くなったと答える米国人が6割前後、これは21世紀では最高率だ。米朝首脳会談も歓迎だ。中国への強い姿勢も評価できるが、日本人の中にそれ故にトランプの勝利を期待する人がいるがそれは大まちがいだ。彼の政策は全て米国や自分のためでしかない。世界や平和の為ではない。確かにトランプは大した男だ。大統領まで上り詰めるだけのことはある。迫力・熱意には敬服する。しかし、平和と軍事問題・世界秩序の破壊・コロナ対応・環境・差別・人格・フェイク発言・納税回避・相手候補への常軌を逸した罵倒・選挙結果に対する姿勢・側近の離反・人格等々々。こんな男が世界最大、最強の国アメリカ大統領で4年間のわがままを悪政を繰り返してきた。それを是とする700万人のトランプ票が増えたのは先進国アメリカですら良識常識は根付いていなかった証明だ。大衆は扇動されたら熱量で動かされる、洗脳されるのはヒトラーや日本の軍部と同じである。半数弱の支持には寒気すら覚える。彼は人間の悪しき欠点を集積した男だ。いや誰もが欠点はあるが、指導者としてこれほど露骨にエゴを現わし続けている人物はいなかった。





世界は後退・退歩している、良識が負けている

 世界に独裁を続けるトップのなんと多いことか。それに関心のない、気づかない、真剣に考えない庶民のいかに多いことか。こんな近代社会において王政でもないのに金正恩の北朝鮮は3代親子で権力を握り近親者達を簡単に暗殺し恐怖政治を続けている王朝だ。これだけの圧政に抗議する声すら聞こえないほど庶民は勇気も正義も持ち合わせていない。ロシアのプーチン大統領、この人も好き勝手をやっている。大統領の任期の制限を憲法で受けると首相に転じ、身代わりのメドベージェフを大統領に据え、自分は首相になる。その任期が終われば再び大統領になる──憲法に違反していないと開き直る。憲法は一人の人物に長年の権力を持たせない趣旨なのにそれを凌駕してしまった。現在4期目で2024年に憲法上任期が終わるが、またまた憲法改悪を下院で承認させて再出馬できるようにした。権力になびく国民、議員が権力者に心も良心も売ってしまう。

 ナポレオンは憲法を変えて自分が終身皇帝に成れるようにした。日本の戦前の政治体制がそうだった。いや、現在日本の政権党自民党も同じだ。自分らで総裁の任期は2期までと決めておきながら安倍一強となると党則を変えて3期まで可能にした。更に4期までの再改定のうわさが絶えなかった。日本の右傾化が続くのを止めなければいけない。世界の良識派の代表たるメルケル独首相も再出馬を断念すると宣言せざるを得ないように追い込まれた。他方、英国では欧州融合の象徴のECから脱退するジョンソン首相が登場した。そして世界最大の人口の中国も同じ、いや最悪だ。国家主席は2期10年と定着していたはずが、習近平氏はその任期制限を憲法から削除させてしまった。現在のところ独裁圧政が強化され香港の民主派も弾圧された。外国人も反中国の活動をしていて中国に入国すると逮捕の危険もあるから、台湾での反中国活動も覆面で顔を隠していた。習近平氏を外国人まで脅迫する21世紀最悪の反民主主義者と断じたい。(11月8日朝記)



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