こんな労働組合もありますよ
~企業組合の枠を超えて(その1)

                  大阪 北摂   島野 正通
                    


               

2011年、大阪北摂(島本、高槻、茨木、摂津、吹田)をカバーする地域の労働組合サポートユニオンwith YOUを結成し、今年9月に第10回の定期大会を予定しています。企業内労働組合でもなく職種別産別労働組合でもない個別労働紛争を解決していく労働組合だ。労働組合という側面以外に、コミュニティユニオンとしての地域の運動にも積極的にかかわってきた。

■労働相談
ダブルワークの収入は18万円、最低賃金を1500円に


 朝3時から6時まで朝刊を配達し、16時から23時まで倉庫整理の仕事をする50歳の父親。小学1年の子は後天的障がいがあり、中学1年の子にも先天的な障がいがあり、妻も心因的なうつ状態に。父親は、新聞配達の後、朝食の用意をして数時間、仮眠。13時ごろから夕食の買い物や準備をし、倉庫管理の仕事に。深夜に帰宅、1時間ほど仮眠する。早朝の新聞配達で5万円強、倉庫整理で10数万円、合わせても18万円に届かない。親子4人の生活費、子どもたちの教育費、妻の治療費など、日々のやりくりが大変で、国民健康保険の保険料が滞ることも。私たちユニオンは団体交渉を通して時給の改善を実現させ、役所に保険料減免を実現させてきた。

 憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が侵害されているのがこの社会の現実だ。私たちは最低賃金を1500円にと訴えている。実現できれば賃金は25万円を超えることに。最賃アピールに加えて、コロナ禍の状況で、労働と生活を守ろうと「休業手当」「個人事業者への給付金」「子どもの世話に伴う休業補償」を訴えて街宣活動をとりくみ個別相談に対応してきた。

■労働相談 
同一労働同一賃金の実現を



 印刷会社のオペレーターで、3ヵ月更新のパート契約社員で17年間働いてきた。フルタイムとパートタイムで30分しか労働時間が違わないのに賃金や賞与など待遇面で大きな隔たりがあり、3年間、時間賃金は1290円のまま放置されている。正社員にあいさつをしても返さない、仕事でけがをしても労災を認定されず不注意を責められるなど安全配慮も倫理観も欠如している職場環境だ。組合員は携帯電話も所有せず節約を極めた生活を送る。2020年4月から施行の「パートタイム・有期雇用労働法(同一労働同一賃金)」にもとづき、会社はパートタイム・契約社員の賃金、労働条件、諸手当などを見直す必要に迫られているにもかかわらず放置しており、これらを改善させるため団体交渉を申し入れた。

 しかし会社は、組合規約、組合員名簿を求めユニオンへの不当介入を繰り返している。不当介入は、憲法28条(労働者の団結権)「勤労者の団結する権利及び団体交渉権その他団体行動をする権利は、これを保障する」に違反し、労働組合法第6条(団体交渉をする権利)、同法7条(不当労働行為)に違反するもので許すことができないと大阪府労働委員会にあっせん申請を行い改善され、団交を行うことに。こうした地域ユニオンへの不当労働行為が増加しており、無期雇用への転換も含めて厳しく追及している。

■労働相談
セクハラ、パワハラと闘う



 10年前、ユニオンへのはじめての労働相談は女性からのセクハラだった。また、社労士による事務職員へのセクハラも。家族経営であり、「家族愛」で会社は成り立っているのだから社長の言うことは聞かなければならいとのハラスメント行為だ。団体交渉や労働委員会のあっせんで「加害者の解雇」「損害賠償」を勝ちとった。

 現在の相談事例は機械部品製造会社のセクハラ事案。広報などの業務を行っていた女性に、会社役員がセクハラ、ハラスメントを繰り返した。頭痛、全身倦怠感、動悸などの症状を呈し、メンタルクリニックで自律神経失調症の診断、病気休養に追い込まれた。会社役員は女性社員をコンパニオンと同様に扱い、夜の飲み会に誘いだし、商談にも呼びつけて常軌を逸したセクハラを繰り返していた。飲めない彼女は救急車で病院に運ばれたこともあったが、管理職は「飲めるようにならんとあかん」と意に介さずハラスメントをくり返していたのであった。

働くことの悩み
労働組合・ユニオン



 コミュニティ・ユニオン関西ネットに加盟している。新型コロナ感染拡大による労働相談も増えている。大阪、北大阪、北摂、吹田、茨木、 摂津、高槻、島本の地域で働く人たちの解雇・雇い止め・時間外未払い・パワハラ・ セクハラ・派遣・請負・労災などの労働相談窓口で、生活・福祉・年金・保険などの相談もOK。阪急茨木市駅の近くに事務所を構える労働組合です。

 無料相談電話 072-655-5415



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