コロナ危機 中小建設業も打撃

新協建設工業  星野 輝夫

 


コロナ感染、建設業を襲う

 新型コロナ感染は建設、住宅業界、そして全国の建設現場も襲ってきました。2月には、熊本、千葉県の現場で感染者が発生、国交省は直轄工事での工事一時中止、ペナルティなしの工事期間の延長を認めると発表しました。工事一時中止の申し出は施工者であり、現場一時中止の責任は施行者にあり、国交省は労働者の賃金補償をしないという姿勢でした。

 2~3月には全国の現場では感染に危険におびえながらも、コロナ感染対策、3密を避けての作業が続けられました。4月には感染が広がり、国交省直轄工事1000件のうち100件で施工者が中止を申し出て現場はストップ、業務では230件が作業中止となりました。

 国と東京都は感染防止ガイドラインを建設業者、建設現場に通達しました。コロナ感染防止のぼり、横幕、ポスターが現場に届き、現場と作業員への危機意識を植え付けました。4月に入り清水建設の現場所長など3名が感染、1人が死亡し、清水建設は全国500か所の現場を工事中止にしました。

 大和ハウス工業、大林組、東急、戸田、西松、前田建設、など大手ゼネコン、ハウスメーカーは感染者の発生もあり、緊急事態宣言後一斉に1000か所以上の現場を工事中止しました。現場では3密が始まり、大手ゼネコンの西新宿Sビル現場では「朝礼に1000人が集まりコロナ感染で怖くて仕事ができない」との訴えがあり、東京土建は元請け本社に抗議し、翌日、密集朝礼は中止されました。

大手現場中止に賃金補償獲得

 大手ゼネコンに対し東京土建など建設労働組合は「現場での3密をなくせ、現場を止めるなら、賃金補償せよ」の要求で大手ゼネコン交渉を始めました。さらに東京土建、国土交通労組、建交労など建設7労組はコロナ禍から建設労働者の命と暮らしを守ろうと「誰一人とり残さない、2020建設アクション」を結成しました。

 建設アクションは国、自治体、ゼネコンに対して感染予防のための工程の見直し、下請け業者、労働者への生活支援、技能実習生、一人親方への補償、雇用調整助成金の拡充などを要請しました。清水など大手ゼネコンでは、要請を受けて4月中の現場休業に対して下請け、労働者に休業手当を支払った企業も出てきました。大手ゼネコンは現場工程に組み入れている優秀な下請けや技能者を手放せないことと、建設業法上の特定建設業の元請け責任を追及されたためでした。

新協建設工業のコロナ対策

 中小建設業の現場では厳重なコロナ感染防止対策、3密を作らない現場運営を行い、下請け、労働者の仕事と賃金を奪う現場封鎖、工事中止は極力避けました。中小建設業者の多い東京建設業協会は東京都への要望で「作業員の命と健康を守るための感染予防措置を取り、工事執行体制を確立していく」と方向性を提示しました。東建会員の新協建設工業では国、都の感染防止ガイドラインを受けて安全協力会と共に「コロナ感染者は絶対出さない」行動を全現場で実行しました。

 コロナウイルスを避けるために現場で3密「密閉空間、密集場所、密接場面」を作らない、始業時の検温、マスク、分散朝礼、大声を出さない、手洗い、消毒の励行、定時終了などを実行しました。作業員には健康第一、飲みすぎ、睡眠、熱中症防止など「コロナに負けない生活」を呼びかけました。現場には「NO!3密」「コロナ対策10か条」「5つの感染防止」などのポスター、コロナ防止ののぼりが張り出され、朝礼で繰り返し呼びかけました。これらのコロナ感染予防対策を徹底し、3~6月の期間、現場をストップさせずに感染ゼロを達成しました。

受注大幅減、先の見通しも見えない

 襲ってきた新型コロナの影響で建設、住宅産業は消費税増税もあって大きな打撃を受けました。4月の住宅着工は11年ぶりに前年比12・9%マイナス、特に持ち家は1960年以来の低水準、大手ゼネコンの民間受注は30・8%マイナスに落ち込みました。

 建設業の4~6月の景況感は建設大手で38・7%マイナス、中小建設業で60・1%のマイナスと建設業コロナの影響で大きく落ち込み、先の見通しも見えません。コロナ禍で建設零細企業の売り上げが月50%以下に落ち込んだ業者に支給される持続化給付金が大幅に遅れ「つぶれそう」との悲鳴が上がっています。

 第2次補正で決まった雇用調整助成金、家賃補助は仕事の減少、工事中止で経営困難に陥った中小零細企業の救済策として早い実行が待たれています。

 


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