国際平和デー
優しい気持ち
ワクワクを届けよう

東京都日野市 増山 麗奈


国際平和デー創設者でイギリス人映画監督のジェレミー・ギリー氏と筆者と世界平和を願った絵



 「バレンタインや母の日はあるのに、平和の日はないな」
そう考えて国連公式の国際平和デーを実現した
一人の映画監督がいる。イギリス人映画監督の
ジェレミー・ギリ―氏だ。「世界中の暴力をなくす1日を作りたい」
そんな思いで紛争地を取材したり、国連に働きかけたりして
実現してしまう、とんでもない行動力を持った人だ。
実際に、アフガニスタンの紛争をこの日だけ
止めた実績もある。そんなジェレミーさんと会って絵を
描いた。9月2日に幕張で行われたピースデーイベント。
10年越しでジェレミーさん来日を依頼していた
主催者念願の初来日。7000人の人が
幕張海浜公園に集った。ジェレミーさんの話を聞きながら、
絵を描いた。



 ジェレミーさんは、実は被ばく3世だ。捕虜として
長崎にいたイギリス軍兵士だった祖父が、
きのこ雲を見たという。お爺さんは血液の病気で亡くなった。
ピースデーは9月21日。おじいさんたち日本からの
捕虜兵のうち、生きてイギリスに帰ってきたのが21人だった
ことをこの日を平和の日として定めたきっかけだった。
ピースデーは日本とご縁がある。



 「相反する意見の方を偏見で見ないで、一緒に議論を
する余裕を持つこと。世界の暴力をなくすというと、
国と国との争いをなくすことかと思われがちですが、
自分から周りの人に思いやりを持って過ごすということを
家族や友人、会社単位で始めることから、平和をつくろう」
そう語るジェレミーさんのまわりはいつも柔らかな空気で
包まれている。コーディネイトをしている主催者で
国際映画祭主催の関根健次さんは「昨晩行ったレストランでも
ジェレミーさんの周りは笑顔になる。子どもとも
すぐ仲良くなりMr.世界平和という感じ」と語る。
戦後、仕事をしながら町中から愛されたおじいさんの
生き方を尊敬しているという。



 話を聞きながら、絵を描くというのは独特の感覚だ。
ジャーナリストでもある私は脳の中で数字もメモしながら、
もともと持っている歴史のパースペクティブに合わせながら
ジェレミーさんの話を論理的に聞いている。同時に、
対象を信頼し、脳のどこかをパカッと開けて、目や耳や
皮膚を通じて入ってくる情報を“意味”ではなく空気や
色や形に書き換えていく。むしろこの作業は何にも
考えないでいるほうが良い線が描けるし色が引ける。
目とハートと手をそのままつなげる感覚である。
会場の緑や、人々の雰囲気、オーガニックコーヒーの
香りなんかも絵に影響を与えている。同時に集中して
絵を描きながら5分に一度ぐらいキャンバスを話してみて、
デザインやバランスなどを整えるプロデューサー的目線で
ジャッジをする。3つの異なる脳の部分を使いながらの
作業である。どこか一つだけ使うと凝ってしまうけど絵を
描くとすべてバランスよく身体を整えられる気がする。
だから人は太古の時代から壁画を
描いたりしていたのかも?



 「平和の日には絵を描いたり、音楽を聴いたり、
家族を大切にしたりそれぞれがそれぞれのピースデーを
発信してほしい」とジェレミーさんが話しながら
私を紹介してくれたので、多くの人がキャンバスの絵を
見て笑顔をくれる。なんだかうれしい?



 その後大きなステージで主催者の方が語っている様子や、
一青窈さんのコンサートを聴きながら絵を仕上げた。
一青窈さんは自分が売れなかった時代の苦労は
なしなどもしながら、軽やかな布をまとって、
スリムな体からとは思えないほどの音量で
魂のこもった歌を歌ってくれた。客席と一体になる。
“地球が喜んでる”そんな感覚を覚えた。
あ、そうか。世界中でそれぞれの魂が喜ぶこと
ワクワクすること幸せを感じることから、
平和って生まれるのかもな。来年のピースデー9月21日、
皆さんも周りの方にやさしい気持ちや
ワクワクを届けてくださいね。



(映画監督・画家)



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