憲法と改憲を考えるシリーズ6

自衛隊を戦争兵士・軍隊にさせてはならない


大阪市  宮原 光一




 自民党総裁選で3選を果たした安倍首相は、
改憲発議案を次の国会にかけると言う。
その改憲案は具体的でないが、
先の自民党大会に報告された
「自民党改憲推進本部長」の4項目が
ベースになるだろう。一番の目玉は、
憲法9条は残し、9条の2として実力組織として
の自衛隊を保持することを明記することで、
現実にある自衛隊を明記するだけだからと、
国民投票で過半数の支持を取り付けよう
としている。数年前に発表された自民党改憲草案か
らすればおとなしいと思われるが、
まずは自衛隊の明記で改憲を実現することを
最優先する狙いからである。



したたかで巧妙 危険な安倍の手口



 安倍首相の手口は、したたかさ、狡猾さにある。
森友・加計問題も、自分が直接手を染めることは
巧妙に避けながら、他に忖度させやらせる、
その責任は取ろうとしないやり方である。
改憲項目として、教育無償化や
緊急事態条項などを付け加えるというのも、
もっともらしくだましのテクニックに近い。
国民はこうしたことを見抜くことが大事だ。



 自衛隊の増強、新安保法制での
新たな任務についてもきちっと知り、
見る必要がある。2015年の閣議決定で、
限定的と言いながら海外に自衛隊を派遣する
「集団的自衛権」の行使に道を開き、
2016年9月に国会内外の多くの抗議の声を
無視して、強行採決して成立させた
「新安全保障関連法」(「戦争法」ともいう)により、
他国軍の「駆けつけ警護」や宿営地の
「共同防護」ができるようにし、更には、
日本の「存立危機事態」、「重要影響事態」という
抽象的な要件を設けて、自衛隊部隊の
海外派遣を可能にしたのである。



自衛隊の変質・軍事費拡大は
ダメ



 政府自民党は限定的、前線には行かないと
説明するが、何時でもそれを外すことができ、
後方支援といっても状況は区別がつかなくなり、
戦闘になる、巻き込まれるのを認めるということで
ある。自衛隊はまだ訓練も出来ていないので、
少しずつそろりと進めているが、それは手始めで
拡大されていく。イラクや南スーダンでの
自衛隊の活動日報が隠されたり、
ごまかそうとしたりするのも、その危険性と
世論に与える影響を知っているからである。



 こうした「新安保法」の危険性、違憲性を
重視するからこそ、現在、全国の22の地裁に
25の裁判が提訴され、憲法に違反する
平和的生存権の侵害、裁判所の役割などを
めぐって、審理は大詰めに入っている。



 現在でも、防衛予算は年間5兆5000億円に
近い。陸上配備型ミサイル防衛システム
(イージスアショア)東西2基で3千数百億円、
海上自衛艦の航空母艦化などで更なる拡大が
目指されている。9条1項、2項を残し、
9条の2として自衛隊の保持を明記することは、
その拍車に利用されることになる。



朝鮮半島情勢は大きく変る、日本の政治の転換を



 安倍自民党は、わが国を取り巻く国際環境の
変化、悪化をしきりに強調する。北朝鮮の
核・ミサイル開発については、戦後の
米朝対立の中で、北朝鮮の自衛的措置という
側面があるが、日本の立場からは支持できない。
昨年など、その危機を利用して、日本海で
米艦隊を日本の護衛艦が「警護する姿」、
ミサイル発射で日本の危機をあおり「警戒・避難」
訓練に利用され、今にも戦争が起こりかねないように危機をあおったが、今年に入って、
朝鮮半島情勢は劇的に変わろうとしている。
米朝交渉は朝鮮半島の完全な非核化、
平和と安定をめぐりぎくしゃくするだろうが、
北朝鮮の完全な非核化、国民経済の建設に
転換を図ろうととする決意は本物と考えられる。



朝鮮半島や中国との緊張を利用して、
日本の軍備強化、改憲攻勢に利用されてきたこと
も明らかである。今まさに、国際環境の悪化を
理由にして改憲にこだわる根拠がうすれて
きている。日本の新しい政治は、東アジアの
平和と共生に、過去の植民地支配の清算を
含めてきちっと向き合う方針の転換が
求められている。



 安倍自民党政権はそれができるのか、
日本の国民は、安倍自民党に任せるのではなく、
自覚して今の政治・政権を変えていく発言力を
持つことが求められる。



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