自分の身は自分で守ろう
働く者が知っておくべきこと

奈良 小野 悠



 私は長年、1人でも入れる労働組合
(地域合同労組、いわゆるユニオン)で
労働相談を受け、解決に取り組んできました。
相談時に、会社と争うにしても証拠不足で
取り組みが困難という事例も少なくありませんでしたそこで以下、「労働者の自己防衛のための
日常的取り組み(証拠蒐集)」について、
経験を踏まえて、ごく基本的なことだけを
書いてみました。自分の身は自分で守る
という意識が大切です。



 1.勤怠(特に労働時間)の記録

 タイムカードで真実の労働時間が記録され、
それを労働者が自由に持ち出せるという
ケースは稀です。そこで自分で、
①出社時刻、②昼休みを含めた休憩に入った時間、③休憩後、業務を開始した時間、
④退社時刻について、ノートなどに
毎日記録する、有休や病欠なども記録しておく
ことをお薦めします。打刻だけさせて、
その後も働かせるような企業には、
自分の真実の労働時間は、自分で記録する
しか術はありません。これらは自分で
書いていても一定の証拠能力を有しますし、
残業代請求(2年間は遡及可能)の際には
大きな武器になります。



 2.労働契約書等の保管


 会社は雇い入れ時、労働者に
「労働条件通知書」なり「雇用契約書」を
手交しなければなりません。かつ、
「契約書」なので、会社と労働者の双方が
保有する義務がありますが、会社だけが保有し、
労働者に渡さないケースが少なくありません。
こんな時には写しでもいいので請求しましょう。


 その他、給与明細書等、会社関係の書類は
すべて保管しておくことです。会社に提出
しなければならない書類でも、できるかぎり、
事前にコピーを取っておくことです。
後々のトラブルを回避できる材料になります。



 3.就業規則の存在の確認



 就業規則は、ほとんどの労働者が
「存在すら知らない」と言いますが、法的には
1事業所に10人以上居れば、会社には
作成義務があります。かつ、誰でも自由に
見ることのできる場所に掲示(保管)して
おかなければなりません。しかし経営者は
なぜかあまり見られたくないようで、
幹部の近辺に置いて気軽に読めない雰囲気を
作っている場合がほとんどです。
それとなく就業規則の存在の有無と掲示
(保管)場所を確認しておくといいでしょう。
(しつこく探ると逆に警戒されるので、注意!)



 4.ハラスメント



 パワハラにせよセクハラにせよ、会社は、
「そんなことはしていない」と、まず、
真っ向から否定します。ユニオンといえども
証拠がなければ団体交渉すらできません。
執拗で悪質な場合(ほとんどですが)、
自費でもICレコーダーを購入し、ポケットなどに
忍ばせて録音しておくことです。鬱状態で
しんどくても、録音(証拠蒐集)を目的に会社に
行き、「いじめさせる(られる、ではない!)」のも、
楽しいかも。



 5.労基署の活用



 労基署の活用といっても、監督官への申告
(これは、あてになりません)なんかではなく、
監督署に置いているパンフレット類を貰い、
よく読んでみることです。労働基準法のうちの
重要な部分を抽出して解説しているので
役に立ちます。



 コミュニティ・ユニオンは現在、全国31
都道府県にあります。上記の日常の努力の上で
なお、切実な相談等があれば、
気軽にコミュニティ・ユニオン全国ネットワーク(03-3638-3369)に電話して、
最寄りのユニオンを訊くといいでしょう。



 コミュニティユニオンはどこの会社の社員でも
1人で加入できる労働組合です。会社や上司に
不当な勤務を強要されているなどの問題で
悩んでいる方は電話してみて下さい。筆者は
そのユニオンで長年、社員組合員の代弁者として
会社と交渉してきた人です(編集部)。



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