ベーシックインカムで

私をスキーに連れてって

東京都日野市  増山 麗奈



海外観光客が多い

スキー場の風景



 年始、久しぶりに白馬スキー場で家族とスキーを楽しみました。例年に比べても積雪量が多く、パウダースノーで滑り心地も、地元の温泉「倉下の湯」かけ流しも最高でした。が、気になることがありました。お客さんの多くが外国人なのです。明らかに白人の方も2割ぐらいいますし、一見アジア人顔の方が、中国語を話していたり、韓国語を話していたり…。普通の日本人客が明らかに減っているのです。



 海外の富裕層の方にとって、欧州の半額でリフトに乗れ、雪質が良くスキー場のコースも面白みのある日本のスキー場は大人気。地元のビール工場も開発して、オリジナル酵母のおしゃれなビール・レストランもゲレンデにあり、その光景はさながらヨーロッパのよう。海外の観光客が多いのは白馬だけではなく全国的な傾向です。 日本人スキー客はどこに消えてしまったのでしょう。




スキー場(増山麗奈作)



スキー人口は6割減

お金がない若者たち

 日本生産性本部の「レジャー白書」によれば、スキー人口はピークは1993年で現在は60%近く減少した計算になります。JRでは「新幹線で私をスキーに連れてって」というキャンペーンをやっていますが、この映画は1987年製作なのです。若者たちのスキー離れを止めるには?そう。みんな単純にお金がないのです。実質収入の内の貯蓄に充てる率である家計貯蓄率の推移をみると、1995年には、11パーセントだったものが、2013年には、マイナスに転じています。貯金をするどころか貯金を切り崩して生活する人たちが多いことがうかがえます。消費が伸びない結果、産業が 縮小する、負の連鎖に入ってきてしまっていますね。


ベーシックインカム給付で

中間層の底上げを


 海外の人からは“安い!”と感じるスキーが、日本人にとっては“高い”というのは、切なく悲しいじゃありませんか。これを脱却するのがベーシックインカムです。ベーシックインカムというのは、市民に直接お金を無条件に給付する制度で、フィンランドで2000人への地域実験がスタートし、アメリカのカリフォルニア州ストックトン市では31万人に月5万円給付が決定。アメリカのハワイでもBI推進州法がスタート、世界中で広がりすぎた格差を是正する政策として、注目を浴びています。私は日本にこそ、ベーシックインカムが必要だと考えています。ベーシックインカムといっても、今までの社会保障を削って、生活の質を低くするのではなく、(生活保護費の削減などもってのほかです。)全体を底上げする政策が必要だと思うのです。財源については、様々な議論がされていますが、山田正彦元農林水産大臣は、医療費を除いた社会保障費を国民全員に還元すれば、今すぐ5万円給付が可能で、扶養者控除を除けば、8万円の給付が可能だと言っています。初期投資の財源をどうするかの議論はもちろん必要であるとはいえ、一度スタートすれば、それが経済の好循環を生み出し、いきいきしたお金の流れを社会に生み出すのではないでしょうか。





映画「はじまりの日~ベーシックインカム元年」
増山れな監督作「はじまりの日〜ベーシックインカム元年」
主演 大島葉子 あいしゃ 紀伊修平 堀田眞三 深月ユリア 神田香織



 私は「日本でベーシックインカムがスタートしたらどんな変化が起こるのか?」というテーマで映画を作りました。「はじまりの日~ベーシックインカム元年」です。カンヌ主演女優の大島葉子さんが主演のドラマ作品で、ポルトガル、台湾の映画祭で上映され、今年はオーストリア、ドイツ、フィンランドでの上映も予定されています。


 日本国内ではDVD(3800円)販売と全国での上映会を推奨しています。ぜひ皆さんのお住まいの地域で上映会と勉強会開催をお願いします。

 ご希望の方は編集部まで。

(筆者は映画監督・画家・市民運動家)


ベーシックインカムとは、国民全てに決められた最低額の金額を支給することによって生活の保障と経済の活性化をめざします。先進国の一部では取り上げられつつあり、日本では生活保護との関係を問題視される点も。筆者はこの運動を展開されています。





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