公害・環境・核問題の著者

  川名英之氏に聞く ③

人類が向かうのは終焉か未来か



川名英之氏


 世界情勢が激動し、
人類の存続を脅かす問題が
次々と起こっている。
元毎日新聞の川名氏は
その著作で社会に
警鐘を発してこられた。
同氏に地球環境の今を伺った。


   地球上では神が
天地創造したのではないか
と思うほど自然と生態系が
うまく調和していますね。



 川名 一つ一つの生物が他の生物と
関わり合いながら調和のうちに
生きているのが生態系であり、
野性動植物の世界です。
これは海中で生命が
誕生して以来進化し、
それぞれの役割分担が
おのずと決まって微妙な調和が
出来上がったものです。
人類はこの
「かけがえのない地球」を
大切に守らなければならないのです。
水や空気がないと他の星に
おいても生きられないと思います。
生命は海の中で誕生したこと、
光合成によって空気中に
酸素が増え、有害な紫外線を
遮断するオゾン層が形成されて
初めて、生物は海中から陸に
上がって生息できるように
なったこと、人は水を飲まなければ
生きていけないことが
水と空気の役割の大切さを
物語っています。




深刻化する今世紀末


   ゴア元米副大統領製作の映画
「不都合な真実」を見ました。
どうしたら人類は自分の未来を
正面から見るようになりますか?


 川名 ゴア氏は今も「分かれ道に
さしかかっている。終焉を迎えるか、
未来に向うのか」と言っています。
私は人類滅亡の可能性の原因は
1番目が、2060年代に100億人を
越えると予測される人口になり食料が
不足する問題。
2番目には地球温暖化による病気、
水不足、海面上昇による都市の水没、
天変地異による滅亡。
いずれも今世紀末頃深刻化し、
人類社会と現代文明は
危機的状況に陥る危険性がある
と思っています。
3つ目に核兵器によるものでしょう。
いずれも現在我々が
予測している程度で収まれば
何とか生き延びることができる
でしょうが、そこから異常なまでの
問題が起これば連鎖的に滅亡に
進む危険性があるのではないでしょうか。
多くの著名な専門家が
それを危惧しています。


   私は川名さんの本を読んで、「今の超文明社会がいつまでも続く」と思うのがおかしいと考えるようになりました。原発問題はその警告のようにも思えます。



川名英之氏著
(三修社)


 川名 その警告に正面から立ち向かわねばいけません。巨大なエネルギーを生み出す原発は確かに高度な科学技術ですが、反面、人類が完全にはコントロールできない危険な技術です。核燃料サイクルの高速増殖炉は世界中でも失敗しています。事故発生の危険も、予測外の事故も大災害になります。原発は油断をすると僅かな死角を狙われ、それが悲惨な事故に繋がるのです。原発にミサイル攻撃はどこの国、誰でも考えられますが、もっと想像以上の問題も考えなければなりません。想定外を配慮するのは無理でしょう。



全ての核兵器の全廃へ




   北朝鮮問題も含む核兵器をどうお考えでしょうか?

 川名 広島、長崎に原爆が投下された時から「核の時代」が始まりました、人類社会は核戦争の脅威にさらされ続けています。この70年、幸いにして核戦争を防いで来ることができましたが、偶発戦争や誤謬による場合も含め明日、核戦争が起こらないという保証はありません。通常兵器と核兵器は全く違うことを人類はもっと理解して対応しなければいけません。広島、長崎の被害を考えればよいのではなく、当然、殺戮度合いはもっと遥かに向上していると見るべきです。核兵器は間違いなく悪魔の兵器です。それを世界中では何百、何千発と十カ国近くに拡散してしまったのです。軍人は常に核兵器を考えながら作戦を立てていることでしょう。核戦争をどう防ぐかではなく、防ぐだけではいつかは核戦争が起こるのですから、逆に政治家も我々庶民もどうしたら核兵器の全廃に持っていけるかではないでしょうか。しかし核保有国が持っている核を全て放棄せざるを得ない状況を創り出さない限り、核廃絶は実現できないでしょう。私は反核運動が地球上の全ての核兵器を廃棄させる運動に発展することを願って『核の時代70年』を刊行しました。

   生命の誕生からの長さからすると人類文明は短いものですね。

 川名 そうですよ。人類文明の期間は地球誕生から今日までの46億年の46万分の1という短さです。人類が過去1万年にわたり営々と築き上げた現代文明の未来には今、崩壊の黄信号が出ています。多くの識者は「残されている時間はそう多くはない」としています。「もはや何をどうしても手遅れ」と宣告される悲劇的事態の到来を避けるために、

人類は危機の克服に全力で立ち向かわなければいけません。

それが人類一人一人に課せられた課題ではないでしょうか。










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