憲法と改憲を考えるシリーズ5

わからないまま憲法改正国民投票をしてよいのか

鎌倉市 塚越 敏雄


国民は、憲法9条自衛隊

 明記に、賛成? 反対?


 「憲法9条に自衛隊を書き加える憲法改正をする」


 安倍首相が、そう宣言(17年5月)して以来、
一部では憲法9条の改憲論議が
盛んになってきている。
一般の国民は「憲法に自衛隊を書き加える」
改憲案をどう考えているのだろう。
今年4月に実施した世論調査によると、
次のようになっている。

 新聞等 賛成  反対  その他 
 読売  55%  42%  3%
 共同  68%  29%   3%
 毎日  27%  31%  42%
 朝日  32%  63%  5% 


 自衛隊明記に読売・共同は賛成が多数。
それに対し毎日・朝日は反対の方が多い
(朝日は9条改正賛否の質問)「わからない」
という選択肢を入れた
毎日では、それを選んだ人が一番多い。
「迷うが、深く考えなければ賛成(反対)かな」
と思っているのが国民の感覚かもしれない。


 憲法に明記する自衛隊の

 イメージは?


 では、国民がイメージしている
自衛隊とはどんな存在なのだろう。
それを考える上で参考になるのが
内閣府が行った世論調査(18年1月)である。
これによれば、自衛隊に「よい印象を持っている」
と答えている人は約9割である。
また、自衛隊に期待する役割は、


 「災害派遣約80%」


 「周辺海空域の安全確保

  約61%」

 それに対し、
「国際平和協力活動への取り組み」
は約35%に留まっている。


 多くの国民が持っている自衛隊のイメージは、
「災害復旧のため献身的に働き、
万一他国から攻撃される事態になれば
国民を護ってくれるであろう自衛隊」なのである。
そのため、「自衛隊が憲法違反だとされたら
可哀想でしょう」などと言われると
「憲法に自衛隊を書くことくらい、いいかな」
と思ってしまう。


 変化していく自衛隊


 安保法制成立(15年9月)前までの政府見解は、
「日本が武力攻撃されたときだけは
武力を使えるが、それ以外で他国を攻撃しない」
(専守防衛)というものだった。
これが「平和日本」として、
他国からの信頼にもなっていた。


 ところが、安保法制によって、
「日本が攻撃されていなくても、
アメリカなどの求めに応じ海外に出かけ、
日本も他国を武力攻撃できる」
(一定の条件で集団的自衛権行使可能)と、
解釈を180度変えてしまった。
これによって、自衛隊が武力行使に加われば
どうなるだろう。相手国からは、
「攻撃していない我が国を攻めるひどい国」
に見えるのではないだろうか。
相手国から反撃の対象にされ、
戦争になる恐れも出てくる。
相手国で働いて(活動して)いる日本人や
旅行者が危険にさらされる
ことも起こるだろう。


 このように、日本のあり方を大きく変える
可能性があることなのに、
その事実を国民に、はっきりと説明してはいない。
改憲に不都合なことであっても、
きちんと説明する必要がある。
国民が後で気づいても、
その時では取り返しのつかない
事態になっていることが考えられるからだ。


 何のための自衛隊明記?


 安保法制では集団的自衛権を
行使できるようにした。
だが、「憲法9条違反」という声は
国民の中に強い。
それを解消し、合憲化するのが
「憲法への自衛隊明記」ではないだろうか。
自民党の加憲案の要点は次の通りである。


 ・国や国民の安全を保つため、自衛の措置がとれる。

 ・自衛のための実力組織として総理大臣を最高指揮者とする自衛隊を保持する。


 自衛隊加憲案では「自衛」に
制限をつけていない。
政府が「国や国民の安全を保つため」
という目的をかかげれば、
他国(アメリカなど)防衛の「集団的自衛権」を使い
敵国を攻撃できるようになる。
「戦争はしない」「武力行使はしない」
「戦力を持たない」「交戦権は認めない」
とする現憲法原則の、否定である。



(私たちが作ったリーフレット)



 国民投票で改憲されたら

 日本は、どう変わるの?


 改憲によって起こると考えられる変化を列記してみる。

①アメリカが海外で戦争するたびに一緒に戦うように
求められ、断れなくなる。

②戦闘により自衛隊員が殺される。

③自衛隊員が派遣先の国民を殺し、海外の人から
恨まれ狙われることも起こる。

④外国からの報復やテロが起こる可能性が高まる。

⑤国民に必要な保育・介護・医療などより
軍事予算が増大し、暮らしが苦しくなる。

⑥軍事優先の国になり、表現の自由な
ど国民の権利が制限されるようになる。等々

 

 更に、国民投票法はテレビCMの規制がないため
豊富な資金を持つ側が有利。
また、有権者の4分の1の賛成でも成立する
(最低投票率の定めがない)などの問題点がある


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