新潟県知事選挙を
振り返って

衆議院議員 菊田まきこ(無所属)




立候補表明の記者会見。
県民の選択が全国の注目を集めた




池田ちか子演説会


無名の候補者が互角に闘った

 池田ちかこさんと私の2人だけで行った
5月6日の記者会見から始まった県知事選挙。
「池田ちかこ」って誰?
当初は、そんな声しか聞こえてこなかった
池田さんが、たった1ヶ月で50万人を超える
県民から名前を書いていただける候補者へと
駆け上がりました。
しかし、結果は敗北。
無念でまだショックから
立ち直れない状態ですが、
新潟県初の女性知事誕生のため、
官邸や自民党、公明党という
巨大な軍艦に屈することなく、
互角の戦いをしたことは
私たちにとって、大きな財産です。


 新潟県の新しいリーダーを選ぶと
同時に国政と絡み、安倍政権の継続か
終止符を打つのか、新潟県民の選択に
全国が注目した選挙。
その軌跡を振り返ってみたいと思います。



 そもそも自公が官邸主導で
花角氏の候補擁立を着々と進めている中で、
我々野党側には一部の議員らから
相乗りでもやむを得ないとの声が聞こえていました。
そのような状況で県議1期目の池田さんを口説き、
立候補表明に至るまでには、
事を慎重に進める必要がありました。
記者会見は野党各党や友好団体、
これまで応援いただいてきた方々への
根回しをしないサプライズであったため、
私は多くの関係者からお叱りと批判を受けました。


 それでも皆さんがそれぞれの思いを飲み込んで、
会見から4日後の12日、池田ちかこさんを支援する
野党各党、市民団体の皆さんが一堂に会し、
初めての会議を開き、私は選挙対策本部長として、
選挙の陣頭指揮を取ることになりました。




辻元立憲民主党国対委員長もかけつけて気勢があがった


一主婦の小泉元総理への
手紙が講演会を実現させた


 24日の告示日までに、やらなければならないことは
山積でした。公約づくりからビラ・ポスターなど
印刷物の作成、各地域で開催される集会での挨拶、
マスコミ対応等に加え、国会も開会中でしたから、
ほぼ毎日新潟と東京を往復、
時間がいくらあっても足りない日が続きました。


 告示前に一つの大きなイベントがありました。
告示日前日23日に魚沼市で開催された
小泉純一郎元総理による講演会です。
この講演会は、原発のない未来を願う一人の主婦が
小泉さんに講演に来てほしいと書いた
一通の手紙から実現した講演会です。
この講演会で今回の選挙の行方を
大きく左右するであろう、あるしかけを行うために
私は動きました。
主催者の方と水面下で連絡を取り合い、
事前に情報が漏れると潰される
可能性も十分あったため、密かに、そして慎重に
事を進めました。
当日、池田さんと私は会場の最前列で講演を聞き、
講演終了後、小泉元総理にお会いし、
激励の言葉と握手までしていただきました。
その姿は、新聞、テレビなどでも報じられ、
小泉元総理が野党候補の池田さんを応援している
というイメージを創ることに成功しました。




小泉元首相も激励した


自民・公明が原発再稼働で
争点隠しの戦術


 5月24日、告示日を迎えました。
ここまで紆余曲折がありましたが、
倒すべき相手は巨大な安倍自民党の一念のもとに、
立憲民主党、国民民主党、無所属の会、
日本共産党、自由党、社会民主党の
野党5党・1会派が池田さんの推薦を決め、
加えて市民の皆さんとも連携した共闘による
選挙戦をスタートすることができました。


 他方、自民党・公明党が事実上の選挙運動を
展開する相手陣営は、徹底して政党色を
抑える戦略で、選挙期間中に
東京から新潟入りした自民党議員約150名の多くは
、企業・団体、商店街等、自民党支持層の
業界団体への挨拶まわりに終始しました。
さらには大きな争点であった
柏崎刈羽原発再稼働についても、
慎重姿勢を示すことによって、
県民に違いが分からなくするなど
巧妙に争点を隠しました。
その他、選挙違反ではないかと思われるような
文章や街宣車が見られ、
ネットで誹謗中傷のデマを流すなど、
そのなりふりかまわないやり方には
激しい憤りを覚えましたが、今となっては、
それぐらいの執念がないと権力は
取れないのかもしれません。


街頭演説に多くの人が聞き入った



盛り上がるも今一歩及ばず
残念3万7000票に泣く

 選挙も中盤から終盤へと進むにつれ、
池田さんの演説はますます熱のこもったものとなり、
比例するように街の反応も良くなっていきました。
野党の国会議員も続々と新潟入りし、
ついには6月2日、野党代表が勢ぞろいし、
街頭演説を開催することができました。
選挙での5党・1会派の代表による共同演説は
初めてのことであり、歴史的な場を
作ることができました。


 今回の県知事選では、池田さんに勝ってほしい
と願う市民のボランティアが
たくさん駆けつけてくれました。
驚いたことに新潟県民だけでなく、
全国から電話かけやビラ折り、
ポスティングのために事務所まで
お越しいただきました。
自宅から電話かけをしてくれた
全国のボランティアもたくさんいらっしゃいました。
また、池田さんのお嬢さんが
東京から応援に入り、母の思いを叶えて欲しい
と切々と訴える姿が多くの県民の心に響き、
最終盤は大変な盛り上がりを感じました。


 選挙戦最終日、新潟駅万代口での
最後の街頭演説会には、
池田さんを応援する人が
イメージカラーのオレンジ色のグッズ
を持って道路を埋め尽くしました。
勝利への熱気に包まれたなかで、
マイクを持った私も鳥肌が立つほど感動しました。
1ヶ月でよくここまでたどり着けた。
池田ちかこという無名の候補者が
諦めることなく闘い続け、そのひたむきな姿、
力強い演説が県民に届いたのだと
確信できるとても素晴らしいフィナーレとなりました。


 池田さんがいただいた票は、

50万9568票。
相手候補にわずか3万7000票余り足りず、
敗れました。力及ばず大変申し訳なく思っていますが、
何よりも勇敢に立ち上がってくれた
池田ちかこさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
そして最後まで共に闘ってくれた
全ての皆様に心から感謝を
申し上げたいと思います。


県民の7割超えは原発再稼動反対  
新知事は公約を無視できない


 今回の選挙で見えてきた反省点も
たくさんあります。多くは語れませんが、
野党5党・1会派に市民団体、
連合新潟も加わり、与党に対して戦う
共闘の枠組みはできましたが、
政策や戦術が必ずしも一致せず、
組織間の調整に時間やエネルギーを
奪われた戦いでした。来年の統一地方選、
参院選と大きな選挙が立て続けにありますが、
圧倒的に強い野党がない現状で巨大与党に
勝つためには、あの政党は嫌だ、
あの人と並ぶのは嫌だといった
様々なあつれきを乗り越え、
真の信頼関係、人間関係をつくって、
力を合わせていかなければ難しいのではないか
と思っています。


 今回の知事選を通じて原発再稼働に反対する
県民の意識は7割に増えました。
そういう意味では与党が推す候補にも、
県民の納得がなければ、
原発を動かさないとまで踏み込んだ発言
をさせた意味は大きいと思います。
知事には官邸の言いなりになるのではなく、
選挙の公約をしっかりと果たしていただきたい
と願うとともに、私たち新潟県民は、
今後の知事の行動をしっかりと
注視していかなければなりません。



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