今に続く中華思想



東京品川区 栗田 勝也




有限公司・中国船舶標準協会のメンバーを財団

法人・日本船舶標準協会が日本に招き、技術指導

をしたことがあります。そのお返しとして、33年前に

中国に招かれました。50人ほどのメンバーで、北京

・西安・重慶・桂林・広州を回りました。1日目は技術

指導、2日目はお礼の意味で、各地の観光案内を

してもらいました。北京では万里の長城を見学、

西安では、当寺、発掘が始まったばかりの兵馬俑を

見学しました。3番目の重慶では最新の国営モデル

工場の見学でした。工場長の案内で「今日は、特別

に完成したばかりの素晴らしい純国産の第1号機を

ご覧に入れます」ということで、見せてくれたのは、

古くさい
、日本で戦前に使われていたような黒い扇

風機でした。



 その日の晩餐会の隣に座っていた北京大学を

卒業したばかりの通訳に、中国人は何かにつけて

オーバーだなといいましたら、中国人のどこが

オーバーですかと、即、言い返してきました。やむを

得ず私は、「白髪三千丈」だとか「一瀉千里」だとか

いうだろうと答えました。一瞬後、彼は「昔から中国

には一日三秋のおもいという言葉がありますが、

日本では一日千秋のおもいというではありませんか

。日本人の方がよっぽどオーバーです」といわれ、

これには返す言葉がありませんでした。





中国の発展は誰もが認める。上海は高層、中層ビルが立ち並びその規模は東京をしのぐ




 かつて国産の第1号機の扇風機を誇らしげに

見せてくれた中国が、今では国産の空母をつくり、

国産の中型ジェット旅客機を造っているという現実

をみると、驚きを禁じ得ません。歴史的に見ても

度々他民族に征服され、虐げられてきたにも

関わらず、彼らのもつ中華思想は、連綿として持ち

続けられてきたのではないでしょうか。最近、中国で

よく言われる「一帯一路」こそ、中華思想そのもので

はないでしょうか。




 日中の技術交流の話からずいぶん脱線していま

すが、脱線ついでにつけ加えますと、
日本は太平洋

戦争で、初めて負けましたが、中国や朝鮮半島の

人達が、かつて経験した他民族に征服された時の

苦難とは比べものにならないほどの違いではない

かと思います。最近の中国、韓国、北朝鮮の態度に

は日本人として許しがたいこともありますが、私たち

も隣国に対して、もっと勉強しなければならないこと

も事実ではないでしょうか。4ヶ所目の桂林の絶景と

最後の広州で食べた広東料理で、初めて中華料理

というのは美味しいものだという経験も一応述べて

おきます。


 最後になりますが、どんなときにも中華思想を失

わなかった中国は「白髪三千丈」の国であり、走り

出したら止まらない中国は「一瀉千里」の国であると

思います。




 


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