どうなる
安倍首相の改憲戦略!?


元衆議院議員 服部 良一




安倍首相は改憲の戦略を明らかにし失速しつつあるが、
政権政党自民党の党是は改憲である。
小紙では国、国民の基本柱である憲法、改憲をどう考えるか連載します。
第1回は護憲政党を自認する社会民主党、元衆議院議員の服部良一氏に
寄稿していただいた。




服部良一氏



 

5月3日、日本会議の改憲集会にビデオメッセージ

を送り、2020年を新憲法の施行の年にしたいと

明言した安倍首相、憲法9条の1項、2項を残しつつ

自衛隊を3項で明文追記するという「加憲」論で、

本丸の憲法9条をいきなりターゲットとした。

衆参3分の2の国会議席を持っている間に、

憲法改正発議をなんとしても実現させようと

いうわけだ。そうなると、今年の秋の臨時国会で

改憲項目の絞り込みをやり、来年の通常国会で

「改正発議」、即ち18年年内に衆議院解散総選挙と

同時に「憲法改正国民投票」を実施するという

シナリオだろう。



 ところがである。去る7月の東京都議選の結果は

今後の安倍政権の改憲戦略を不透明なものに

している。そもそも森友・加計学園疑惑や、

稲田防衛大臣を始め大臣や議員の相次ぐ失言や

スキャンダルで支持率が急速に低下、来年の

9月の自民党総裁選での3選にも黄信号がともり、

自民党の中でもポスト安倍の動きが公然化

したことがある。都議選後の7月5日憲法問題で

与党内の発言が相次いだ。船田元自民党憲法改正

推進本部長代行は「あらかじめ期限を切って議論

するのは、あまり得策ではない」、公明党山口代表

も「憲法は政権が取り組む課題ではない」と釘を

刺した格好だ。



安倍「加憲」の背景



 安倍首相のいきなりの「9条加憲」の背景に

指摘されているのが日本最大の右翼団体・日本

会議の存在である。その中心的イデオログ

と言われる日本政策研究センター代表伊藤哲夫氏

が昨年9月「3分の2獲得後の改憲戦略」という論文

を発表している。まだまだ9条改憲のハードルが

高いという情勢分析をもとに、「戦後レジームから

の脱却」論には当面蓋をし、現憲法の理念

「平和・人権・民主主義」はそのままに「加憲」の

作戦でいくというもの。そのことで公明党を巻き込み

、更には護憲派陣営の分裂を誘い「反転攻勢」を

仕掛けるというものだ。具体的には9条3項に加え、

憲法前文の一部加筆、緊急事態条項、家族保護

規定を加えるというもので、安倍首相のメッセージ

はこの提言が下敷きになっている。維新を抱き込む

ための「教育無償化」も考えられている。この論文を

読み、安倍首相のメッセージをみると彼の執念が

うかがえる。




共謀罪施行日の野党街宣で語る服部氏



 集団的自衛権行使や戦争法が憲法に違反して

いるのは明らかであり、大阪でも全国でも

違憲確認訴訟が闘われている。現状でも勝手な

解釈改憲をしている中で、9条3項案として

「前項(2項)の規定は、防衛のための自衛隊の

設置を妨げない」「国際法に基づく自衛のための

実力の保持を妨げない」などというが、3項を書き

足すことで2項を事実上なきものにすることにする

意図は明らかである。いまや国民に認知された

自衛隊を憲法に位置付けることは当然だとする

論調が野党の一部にもあるようだが、9条3項を

加えることで、海外で戦争出来る自衛隊への歯

止めが全くきかなくなるわけだ。



なんとしても9条を守るには!



 さて、都議選の結果は、受け皿さえあれば票は

動く、安倍政権を追い込むことは出来ることが

明らかになった。問題は国政選挙の受け皿を

どうつくっていくかだ。先日の仙台市長選の勝利は

野党共闘が力を発揮した。私の思いは、社民党が

その一翼となって平和リベラル政治勢力を結集

できないのか、同時に衆院選選挙区での野党協力

を実現して、自公の政治に終止符を打つこと

である。しかし、受け皿の中心の野党第一党の

民進党が蓮舫代表の辞意、代表戦と混迷が続く。

一日も早く態勢を立直し野党共闘の中軸に座って

もらいたい。自民党、自公維への対立軸をしっかり

打立てて遠くない将来に働くもの、弱き者の政権の

展望を開きたい。そして9条の真の平和憲法の精神

を活かしていきたい。





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